「ストレス耐性は人によって違う」

「我慢できることの性質」

採用する学生のひとつの有利な要素として「体育会系」に所属していた、というものがあります。これは多くの会社で求められる条件でもあるので有名だと思いますが、なぜだと思いますか。それは体育会系は理不尽な事が非常につまっている縮図だからと言われています。私は運動は好きですが、大学では体育会系に属してはいませんでしたので、本当の意味で体育会系ではないのですが、部活動の経験はありますし、社会人になってからも運動を続けておりますので、その意図することはよくわかります。

たとえば、体育会と聞いて想像するものといえば、

・上級生への絶対の服従

・凡そ競技とは関係のないと思われる、声出しトレーニング

・水を飲むことが出来るのは上級生のみ

他にも色々あると思いますが、こういういわば理不尽な要素がたくさんつまっているのが体育会であり、これを学生の頃に乗り越えてきた人材であれば、精神的にも肉体的にも会社での社会人生活に耐えられるであろう、という考え方です。

私の考えでは、これは半分は当たってると思います。というのも、体育会系出身の方はとにかく根性があって体が丈夫というところです。そのため、長時間労働であったり、連日の接待にも耐えらえる素養を持っている人が多いというのは確かにあるのかもしれません。

しかし、ちょっと冷静に考えてみるとこれっておかしくないですか。だって、体育会で耐えてきたことは自分の好きな事の延長線上にあることですよね。例えば、野球が好きで始めた部活動で、その部活の一部として理不尽なシーンがあったとします。ここで、この理不尽に耐えられるのは野球という好きなことの要素の一部分だからであって、別に奴隷的になんでも耐えられるというのとは違うと思います。よく私の会社で配属を決める時に、「彼は体育会出身なので精神的にもプレッシャーがかかる部署に配属しても大丈夫だろう」といった感じで配属を決めたりしています。もちろん、会社も鬼ではないですし、社員を使い捨てにしてしまおうとは考えてないでしょうが、仕事と体育会では根本的に精神的にかかる負荷の種類が違うんですよね。いい加減、「我慢できることの性質」が違うんだということを会社もわからなくてはいけないのではないでしょうか。

「ストレス耐性が強い人以外生き残れないのか」

我慢できることの性質が違うということは上に書かせて頂きましたが、それではストレス耐性が強い人以外生き残れないのでしょうか。厳しいことをいうようであれば、現代サラリーマン社会は出世を目指すのであればその通りと言わざるを得ません。しかし、全員が全員ストレス耐性が強いわけではなく、心が繊細であっても仕事の能力は高く、会社への貢献を図ることが出来るポテンシャルを備えてる人もいます。繊細な人は、物事のストレスを真正面から受け止めやすい傾向があります。ある一定のストレス範囲内であれば耐えられるのかもしれませんが、一定のレベルを超えてしまうと「うつ病」などの精神疾患をきたします。「うつ病」は心の風邪なんていわれたりしますが、私は風邪なんてとんでもない、そんなレベルで片づけられる程優しいものではないと思っています。だって、風邪で命を落とすことは基本ありませんが、「うつ病」にかかれば最悪命にもかかわる問題です。

「弱い人が生き残る方法」

では、ストレス耐性が強くない人が生き残るにはどうすれば良いか。ひとつは以前の記事にも書いた通り「逃げる」という選択肢をとるということです。とにかく、健康で生きてさえいれば、人生どうにかできます。私の実家は自営業でしたが、倒産を経験して、家も車も抵当で持っていかれた経験があります。でも、なんとか今家族全員生きてます。そう、健康で生きていることが大切なのです。

もうひとつの選択肢は、とにかく深く考えない人になることです。ストレス耐性が強い人、メンタルが強い人になるにはどうすればいいんだろうか・・・こういうことを精神的に弱い(弱いのは悪いことではないですよ)人は考えるでしょうが、とにかく考えるのを止めること。これが出来るようになったら苦労しないよ。と思う方はいると思いますが、それを可能にする考え方について次回お話したいと思います。私はこの考え方で随分生きやすくなったと思います。とにかく、考えない。これ最強です。私には会社でも仲の良い親友と呼べる同期がいますが、彼らは総じて仕事に対してのストレス耐性が高いです。彼らの共通点はとにかく深く仕事の事で悩みません。というか、表面的には悩んでいる時間もありますが、寝て起きたら忘れるだとか、釣りでぼーっとしてたらしてたら仕事なんてどうでもよくなった、とか、とにかく自分で自分を追い込まないんですよね。私は結構物事を深く考えこみやすいタイプなので、自分で自分の首を絞めているケースもあったのかもしれません。それでも、なんとかかんとか会社員生活を続けてこれてるのも、意外に元々のストレス耐性が高いからかもしれませんが、でも考えないことは時に大きな武器になることを忘れないでください。

うつ病になる前に、考えるのを止める。これがとにかく大事です。

所詮会社。会社ごときに自分の人生を台無しにされたら悔しいじゃないですか。

そう考えたら、なんだか気楽になってきませんか。それでは、次回また。