鉄道会社の出世コース②

「出世への道」

こんにちは、とさやです。

以前の記事で「鉄道会社の出世コース」について書きましたが、今回は②です。

前回の記事では鉄道会社の出世コースとして、人事や経営企画等の部門を経験するのが一番という話をしましたが、今回は仕事だけではない出世への道をお話したいと思います。

「姿勢論」

まず、鉄道会社では姿勢論というものが非常に重要になってきます。

これは新入社員で現場で働いている時に、嫌というほど刷り込みされます。

具体的にどういうことかといいますと、例えば飲み会。鉄道会社はとにかく飲みの文化が強く残っており、人によっては週5日で職場の人と飲みにいっているというツワモノもいます。

仲の良いメンバーだけの飲み会ならまだしも、結構会社主催の飲み会も多く存在しますが、その中でも2パターンに分かれます。

ひとつは、ほぼ参加必須の懇親会。こういうのは基本的に全員参加なので、あまり悩む必要はないです。問題はもうひとつ、会社主催なんだけど参加自由みたいな飲み会ですね。こういう飲み会が開催されると、表題にかいたような「姿勢論」というのが飛び交います。

どういうことかというと、「総合職採用であれば、率先して会社の飲み会に参加して、色々なメンバーと意見交換を図るべきだ」とか「〇〇部長が出席するのに、末席のお前は参加しなくていいのか」とか「前回参加してないんだから、今回は参加しないとまずいかな・・・」とかです。

ここでなぜ悩むのか?といえば、こういう目に見えない姿勢論が昇進条件につながっているのではないか?と皆考えるからです。

実際、こういう飲み会に一切参加しない人は稀ですが、結局人事は全員の仕事を評価しきれないので、こういう姿勢論で会社への忠誠度を測ったりしてるわけですね。

他社の鉄道会社に勤めている人に聞きましたが、旧国鉄→JRほどこの傾向は似てるそうです。

「政治的争い」

鉄道の仕事というのは、関連事業を除いて、とにかく競争相手が市場ではなく、内向きになります。それは鉄道が寡占業務であり、他社の参入障壁が高いうえ、利用者も「この会社嫌いだから使わない」ということが出来ないですからね。

航空会社とかだと、例えばJALとANAで同じ路線を飛んでいたりするので、どちらを使おうかとか利用者が選べますが、鉄道ではそういうことが非常に起きにくい構造となっています。

まったく同じ区間を競合他社が並走しているということが関西の一部以外はあまりないですから。

そういう環境だと働いている人のエネルギーが外ではなく内側に向いてきます。そう、社内政治での出世争いですね。

そもそも鉄道会社に総合職で入ろうと思う人は保守的な人が多いです。高学歴のエリートが多いですが、外資系コンサルとか外銀、総合商社に入ろうと考える人と根本的に人生の考え方が違うでしょう。

なので、社外でのスキルアップというより、社内での出世競争が重要になってくるんです。

「〇〇部長が今度役員になるから、〇〇さん派閥の俺は安泰だ」とかそんな感じです。

こういうところは銀行員の出世競争と非常に似てるかもしれませんね。

とにかく社員の関心事項は人事になり、飲み会での話題も人事が多いです。

「学閥」

鉄道会社の総合職で入社するには高学歴が必要なのはすでに述べたとおりですが、学歴は入社してからも昇進に影響を与えます。

もちろん優秀な人が高学歴に多いというのは間違いないのですが、それでも歩んでいくキャリアが同じ総合職であっても違うんです。

また、学閥というのも存在していて、これも昇進に影響していきます。

やはり特定の大学が強いってのは鉄道業界特有です。

「まとめ」

このように鉄道会社での出世競争は仕事の出来不出来とは違った視点で決められることが多いです。結局のところ、鉄道会社の仕事は創造的な仕事ではないうえ,世でいう営業のようにノルマで成績が表れる仕事でもないので差がつきにくいのです。

なので、仕事以外の様々な姿勢論やバックボーンが昇進に影響してくることになるんですね。

鉄道会社での出世を目論む学生の皆様、こういう環境に適応できそうなら、鉄道会社で働くのはいいですよ。

それでは、また。