「鉄道会社と鉄道マニア」
さてさて、今回のテーマは鉄道マニアの就職活動についてです。
よく巷で噂される「鉄道マニアは鉄道会社には入社できない」というのは本当なのか嘘なのかを現役鉄道会社社員のとさやが探っていきたいと思います。
「鉄道マニアは嫌われる?」
そもそもなぜ鉄道マニアは鉄道会社に入社出来ないという噂があるのでしょうか。
本来、鉄道マニアの方は鉄道会社にとってはありがたいお客さんのはずです。
だって、通勤通学はもとより、休日にも鉄道を利用してくれたり、鉄道関連グッズにお金を投じたり、ブログやSNSで鉄道の情報を拡散してくれたりするわけですから、鉄道会社の強い味方と考えてもいい気がします。
それでは、なぜ鉄道マニアは就職活動の時点で嫌われるのでしょうか。
その理由は利用者と従業員で全く立場が変わることが原因です。
これは、全くの偏見というかイメージ先行なのですが、実は鉄道会社はマニアの人を従業員として雇うと、自分の興味のない仕事をアサインされたときに会社を辞めてしまうのではないか、また、仕事に趣味を持ち込んで何か問題を起こしやしないか、といったことを危惧しています。
こういった理由で、面接の時などにマニアとわかると採用を見送るということがあるのだと思います。(とさやは実際採用の権限を持っていないので推測になります、ごめんなさい)
「鉄道会社にはマニアいないのか」
では、鉄道会社にはマニアは一切いないのか?と言われれば、いえいえたくさんいます、というのが回答です(笑)
おいおい、さっきの流れと違うじゃないか、という人がいると思いますので解説しましょう。
まず、マニアにも数パターンあります。
①入社後鉄道に目覚めて、鉄道マニアになった
②就職活動時には鉄道マニアをいうことを隠して入社した
③鉄道マニアだけど、就職活動時にはマニアというイメージではなく、乗り物が好きというイ
メージ戦略で戦った
①のパターンは入社当初はそこまで鉄道に興味はなかったものの、入社して仕事をしていくうちに鉄道がどんどん好きになっていくパターンです。こういう人は結構いますよ。愛社精神みたいな感じで、鉄道への興味がどんどん出ていくうちに、社内の鉄道マニアに感化されてさらにはまっていくみたいな。
たしかに鉄道って人を惹きつけるたくさんの魅力がありますし、なおかつ自身が鉄道会社で働けてるということは、幸せなことですし。
②のパターンについては、こういう人が一番多いですかね。というか、社内のゴリゴリのマニアはこういうタイプです(笑)
いやはや、とさやは運転士をやっていたというのは以前の記事で書いたと思いますが、運転士の免許を取得する際の座学は30人程のクラスで高校生の授業のような形式で学んでいくのですが、必ずクラスに超絶詳しい人ってのがいるんですよね。
「まだ、そこ習ってねーだろ」という箇所も下手すると講師陣より詳しかったりしますから(笑)
最後は③ですが、②と違って、隠すというより就活戦略を立てて入社してきた人材って感じでしょうか。
まぁ、そもそも就活の1時間程度の面接では、その人がマニアを隠しているかどうかなんてわからなかったりするものですしね。
②と③のパターンは似てるかもしれませんが、決定的に違うところがあるんです。
それは、②は現場採用、③は総合職採用に多いということです。
とさやが会ってきた社内のマニアの方々は採用区分によって綺麗に②と③に分かれてますね。
これは、③の面接では経営幹部候補の採用となっているため、交通インフラの公共性に惹かれて・・・とか皆戦略を練っていくんでしょうね。
隠すのも戦略でしょうが、それをうまく利用して志望動機に織り込んでくる。
さすがです。
「鉄道マニアでも諦めなくていい」
今回の記事でいいたいのは、鉄道マニアの方も鉄道会社への入社は決して諦めないでくださいね、ということです。
上述した通り、鉄道マニアでも鉄道会社に入社している人はたくさんいますし、入社後ももちまえの知識を活かして大活躍している人もたくさんいるのです。
それに好きなものに携わる仕事だったら、辛い場面でも頑張れたりしますし、何より一度の人生、自分の好きなものに関われる仕事に就けるのは幸せなことですから。
ただ、就活の面接やエントリーシートでは「マニア」であることを前面に押し出すのはおすすめしませんので、それは上に書いたとおり、戦略を練ってくださいね。
それでは、また。