「社内の競争ばかり」

「内向きな仕事」

こんばんは、とさやです。

さて、今回は鉄道会社における仕事の性質をお話しようと思います。

鉄道会社の非現業の仕事の性質はとかく内向きです。これはどういうことかというと、鉄道会社というのは、同じ区間をまったく同じように他社と競合するというのは稀で、基本時に寡占、もしくは独占という状況になります。一部、関西の私鉄とJRが競合していたら、成田空港へのアクセス線で私鉄とJRが競合していたりといったケースがありますが、そういう方がマイノリティなのです。

こういう状況が当たり前になってくるとその会社はどうなるか。そう、社外のお客さまに対しての意識より、社内政治に関心が移ります。

表面上は、お客さま第一主義とかを謳っていたりするのですが、所謂BtoCの会社と比較して、外から稼ぐためにどうするか、ということを考えたり実行にうつしたりする部隊が少なくなっていきます。

その結果、社内の出世競争や社内政治に大きな力が注がれることになるんですね。

なので、とにかく鉄道会社の総合職で入社すると、仕事は内向きな仕事がほとんどです。

「時間は無限にある」といった考えが根底にありますので、社内の会議で社外の人なんて一人もいないにも関わらず、会議の資料の体裁にやたら拘ります。また、「てにをは」にも異常なほど拘る上司が多く、なんだか国語の授業の延長をやっているような気持になることも往々にしてあります。

こういうところで仕事をしていると、確かに社内でのスキルは身についていくのでしょうけど、スピード感ある社外でのスキルはまるで身につかないと考えても差し支えないでしょう。

いちいち、所属長に事象の説明を行うにも、Gのリーダーに資料の確認を経て、問題ないという後ろ盾がないと、所属長に説明にもいけなかったりします。ここで、めんどくさいということでGのリーダーを飛ばして所属長に報告しようものなら大変です。

所属長は「Gリーダーに確認をとったのか」と必ず聞いてくるでしょうし、Gリーダーは自分の頭越しに報告を行ったことに対して大きな怒りを覚えるでしょう。

これは組織であれば仕方のないことというか、大切な仕事の進め方の一つでもあるのですが、とにかく鉄道会社はこういう傾向が顕著です。

それは冒頭記載したように、競争相手が事実上少ないうえに、ユーザーの選択肢が極端に少なく、鉄道を選ばざるを得ないケースがほとんどのため、正常な競争原理が働かないことが原因だと、とさやは考えています。

もっともこれが鉄道会社の経営が安定しているといわれるひとつの要因でもありますので、決して悪いことばかりではないんですけどね。

「鉄道会社の総合職はやめた方がいい人」

鉄道会社の総合職はおしなべて高学歴の大卒で占められています。

でも、これから書く項目にあてはまる人は鉄道会社の総合職への入社は考えた方がいいかもしれません。

①スピード感ある仕事がしたい人

とにかく鉄道会社の意思決定は遅いです。稟議書の決裁者が果てしなく多く、その決裁者から全員承認をもらうだけで一週間とか余裕でついやします。

②飲み会が嫌いな人

これも重要な要素です。というのも、鉄道会社は昭和の時代の雰囲気、風土が色濃く残る業界です。そう、とにかく飲み会が多いのです。会社主催のものもあれば、組合主催のものもある。また、個人的に上司から誘われるケースも多いですし、人によっては毎日飲み歩いている人もいます。こういう飲み会に関しては、参加することが当然のような同調圧力がかかっているので、出世したいかどうかにかかわらず、出ないと非国民扱いされることが多いので注意が必要です。ただ、飲むのが好きな人にとってはいいかもしれませんね。

③プライベートと仕事を分けたい人

鉄道会社では、休日などに組合活動によってなにかの委員会に参加するといったことが多く発生します。また、会社主催の行事も休日に行われたりします。例えば、運動会だったり旅行会だったりです。他の会社もそういう行事はあったりするのでしょうが、とにかく鉄道会社はその頻度が多すぎます。なので、プライベートと仕事の線引きをしっかりしたい人にとっては、結構苦痛かもしれません。反対に、仕事仲間と休日も一緒に過ごしたいと考えている人にとっては②とも相まって、とてもいい会社だと思います。

④イマジネーションあふれる仕事がしたい人

鉄道会社の仕事は、基本ルーティンワークが多いです。これは現場での仕事はもちろんなのですが、オフィスワークであってもその傾向がとても強いです。正直、創造性のある仕事がしたいと思っている人は絶対入社したら後悔するでしょう。しかし、鉄道が好きで、コツコツ日々を重ねていくようなタイプの人にとっては紛れもなく天職だと思いますし、そういった意味での遣り甲斐ももちろんあります。たとえば、乗務員はルーティンワークの領域がその多くを占めているといえますが、とさやはとても遣り甲斐を感じていました。それに、どんなにお金持ちであったとしても、電車の免許は鉄道会社に入社し適性試験をパスしなければ取得できませんし、もちろん運転する環境がありません。狭い日本では山奥の土地を購入して、自分で線路を引いて電架すれば可能性はあるかもしれませんが、まぁ都市では無理でしょう。そういう誰でもが経験できるわけではないことを経験できるのは、鉄道会社の大きな魅力です。

⑤高給を望む人

例えば、20代のうちから年収1,000万円を稼ぎたいとか、外資系金融の様に、アーリーリタイアを目指して稼ぐことがしたいという人は、残念ながら入社しない方がいいでしょう。これは総合職で入ったとしても、そこまで高給ではないということをお伝えしたいのです。もちろん、世間一般の平均以上は稼げますが、あくまでそのレベルです。

まぁこんな感じでしょうか。

総じて、合う人にはとってもいい業界なのが鉄道というものです。

長くなりましたが、今日はこのへんで。

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