「小さい頃の思い出」
こんばんは、とさやです。
今日は、鉄道会社の総合職として入社したとさやが、車掌を降りた後、運転士へとキャリアを進めた内容を書きたいと思います。
とさやの幼稚園の頃の夢。それは電車の運転士になることでした。
とさやの父は鉄道が大好きで、特に自宅には鉄道模型がたくさんありました。
とさやも多くの男の子がそうであるように、乗り物が大好きだったのですが、そういった父の影響も受けてか、鉄道がとても好きだった記憶があります。幼稚園生の頃はよく鉄道模型屋に父に連れていってもらったのをよーく覚えています。
でも、いつしか興味は薄れていき、就職活動をする時にも、電車の運転士になりたいという候補はまったくなかったのが現実でした。
でも、縁あって電車の運転士になる可能性が生まれたってのは鉄道会社に入って本当に良かったなと思うことの一つでした。
「運転士になるまで」
電車の運転士になるには、各社事前の条件が違ったりするのですが、とさやの会社ではまず、駅員の経験が必要です。入社して1年は駅員として働いたのち、車掌試験を受けます。もし、車掌に適性がなかったら、運転士の夢は諦めるしかありません。国鉄などは、車掌と運転士では入社の段階でコースが違ったので、車掌と運転士はキャリアパスが違ったようなのですが、とさやの会社では駅→車掌→運転士というのが絶対の規定コースです。
たまに、駅ではなく、保線等の現場から車掌試験を受けて合格する社員もいますが、車掌経験がなく運転士になるのは不可能です。
とさやの場合は前の記事で書いたように車掌の経験があったので、運転士の車内試験を受けることが出来ました。
さてさて、肝心の試験の内容ですが、筆記試験は普通の昇進試験と大して変わらない内容なのでちゃんと事前に勉強しておけばなんとでもなります。
けど、本当にどうしようもならないのが、医学適性検査ってやつです。
旅客機のパイロットもどんなに優秀でも航空身体検査という検査に合格出来ないと、パイロットになることは出来ないのですが、鉄道の世界も同様です。
検査項目は多岐にわたるのですが、例えば視野検査。
人間の目には「盲点」という、生まれつき見えない箇所があります。普段は両目でものを見ているので気付かないのですが、盲点は視神経やないので、視野が欠損してるんです。ただ、人によっては、生まれつき視野が通常より欠けている人がいて、普段は気付かなくても視野検査をやるとわかります。
別に日常生活には支障がないのですが、多くの人の命を預かる職業ですから、妥協は許されないのです。
あとは、心電図であったり、脳波あたりで引っかかってしまう人が多い傾向でしょうか。
「研修生活での座学」
さて、見事社内での適性検査に受かったら、運転士への第一歩を踏み出したことになります。
ただ、車掌と大きく違うのは、運転士は国家資格の取得が必要ということです。
よく、取引先の人などに「昔、運転士していました」というと、ものすごく驚かれるんですが、よく聞かれる質問として「運転士って免許があるんですか?」って質問です。
そりゃあるでしょ!と思っちゃうのですが、鉄道会社の常識は世間の非常識って言われる位ですから、もしかしたらとさやの常識も少し狂ってきてしまってるのかあ~と思いつつ(笑)
免許の種類は実は、色々あるのですが、私が取得したのは「動力車操縦者運転免」ってやつです。通称「動免」とも呼ばれるこの免許ですが、取得までの道のりは結構長いのであります。
ちなみに、私の免許だと、電車は勿論、モノレールも運転出来ます。ただ、気動車や電気機関車、蒸気機関車、新幹線等はそれぞれ免許が分かれていて、それ専用の免許を取得しなくてはいけないんです。なので、あくまで私の免許は電車の運転免許なんですね。
肝心の座学なのですが、まずはこれを4か月程みっちり朝から晩まで授業形式で行います。研修生を30名程度のクラスにわけて、電車の構造や、鉄道法規、電気結線図など複数の科目を学んでいきます。
各科目ごとに、週に1回ほどチェックと呼ばれるテストがあって、そこで一定以上の点数を取らないと再試を受けにゃならんのですよ。
当然、授業だけでは追い付かないので、予習復習が必要となってくるのですが、電車の構造は理系科目が多いので、文系の人はちょっと苦労するかもしれません。
とはいっても、総合職で入社してくる人達は、難関大学を卒業してきた人ばかりなので、地頭もよく、まず試験で落ちることはないといっていいでしょう。ちゃんと真面目にやりますしね。
ただ、クラスに1人~2人位は現業職の人で試験に受からないという残念な結果もあるという事実だけはお伝えしておきます。
要するに、そんなに甘いもんじゃないってことです。
「学科試験」
そうこう座学を4か月程受けると、卒業試験があります。
これは、卒業試験と言っていますが、国家試験です。すなわち、この国家試験の学科に受からなければ、これからの実技での研修に入ることが出来なく、運転士の道は断たれます。
会社側も高い金を払って、社員に勉強させているわけですし、運転士の要請は、運転士職場の要員需給にもかかわることですので、本当は全員合格してほしいです。
しかし、事前に試験問題「ここでますよ~」みたいなことは一切教えません。
そりゃそうですよね。人の命預かってるわけですから。
この卒業試験の全科目で70点以上取ることが出来れば、晴れて国家試験の学科に合格したことになります。自動車の学科みたいに簡単にとれるわけではないのですが、それでもとさやは絶対の自信を持って受けてましたね。
ただ、この卒業試験も一度ダメでも追試があります。
ここで、再度70点以上を取れれば見事合格ですので、そんなに心配しないでくださいね。
ここまで結構ながい道のりかと思いますが、本当に運転士になるのに大変なのはこの先の実技研修に入ってからです。
長くなりましたので、実技研修についてはまた次回書きましょう!
それでは、また!